作田啓一
( さくた・けいいち )作田 啓一(さくた・けいいち):1922-2016年。京都大学文学部哲学科(社会学専攻)卒業。京都大学名誉教授。主著である本書のほかに、著書には『増補 ルソー』(筑摩叢書)、『ドストエフスキーの世界』(筑摩書房)、『個人主義の運命』(岩波新書)、『生成の社会学をめざして』(有斐閣)、『三次元の人間』(行路社)、『生の欲動』(みすず書房)などがある。
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価値はいかにして生まれるのか。社会的価値の理論を練り上げ、近代日本の深層構造を鮮やかに析出する。戦後の社会学を代表する名著。
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本書は、価値に関する一般理論と、その理論を手がかりにした日本社会の分析から構成される。西洋近代に「価値」を認め発展してきた日本社会。一方は価値の首尾一貫性に、他方は外部の価値にコミットしつつ効率的に採用する態度によって特徴づけられる。ここにある差異の考察を通し、戦前以降、日本社会が経験した価値体系の変動はどのようなものとしてあらわれてくるのか──。著者が展望する新たな規範は、日本文化と西洋文化という二項対立の乗り越えまでを射程に入れる。日本が生んだ画期的な批判的社会理論であり、戦後日本社会論の白眉。
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日本社会が経験した
価値体系の変動を捉える
第一編 社会的価値の理論
Ⅰ 行為の概念
Ⅱ 社会体系のモデル
Ⅲ 価値の制度化と内面化
Ⅳ 責任の進化
Ⅴ アノミーの概念
Ⅵ 市民社会と大衆社会
第二編 日本社会の価値体系
Ⅶ 価値体系の戦前と戦後
Ⅷ 恥と羞恥
Ⅸ 同調の諸形態
Ⅹ 戦犯受刑者の死生観
? 戦後日本におけるアメリカニゼイション
? 日本人の連続観
あとがき
解説(出口剛司)
索引
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