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ちくま学芸文庫

日本人

大勢順応の国民性はどこから生まれたのか

一握りの人間に付き従う大勢順応の国民性はいったいどこから生まれたのか? 柳田國男とその弟子たちが民俗学の成果を結集し、挑む。解説 阿満利麿

定価

1,430

(10%税込)
ISBN

978-4-480-51251-2

Cコード

0121

整理番号

-2-2

2024/07/10

判型

文庫判

ページ数

336

解説

阿満利麿

内容紹介

日本各地の伝統行事や習俗、伝承を集めるのが目的と思われがちな民俗学。しかし民俗学の父・柳田國男が目指したのは、民俗調査によって日本人の国民性を形成したものを明らかにし、現在起きている問題を解決する一助とすることだった。官僚として人生のキャリアをスタートさせた柳田は「なぜ選挙のたびに不正が行われるのか」という問題意識を常に持っていた。柳田は現前の疑問に答えるべく自らの学を展開していく中で、その原因となるオヤカタ・コカタなどの民間習俗に辿り着く。柳田が「世相解説の学」「経世済民の学」と定義した民俗学の立ち位地を鮮明に示す日本人論の白眉。

目次

一 日本人とは
二 伝承の見方・考え方
三 家の観念
四 郷土を愛する心
五 日本人の生活の秩序
六 日本人の共同意識
七 日本人の表現力
八 日本人の権威観
九 文化の受けとり方
一〇 不安と希望
「日本人」座談会
失ったものへの反省/日本人は本来何をもっていたか/日本群島の自然環境/郷土愛と肉親の愛情/家族制度と親方・子方/祖先信仰と民族の結合/東方浄土の信仰
あとがき
解説 「日本人」論のむつかしさ(阿満利麿)
索引

著作者プロフィール

柳田國男

( やなぎた・くにお )

柳田 國男:(1875―1962)兵庫県に生まれる。幼少年期より文学的才能に恵まれ、短歌、抒情詩を発表。東京帝国大学を卒業後、農商務省、貴族院勤務を経て、朝日新聞社に入社。勤務の傍ら全国各地を旅行し、民俗学への関心を深める。1909年、日本初の民俗誌『後狩詞記』を発表、以後『遠野物語』から晩年の『海上の道』に至るまで多大な業績を遺す。

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