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ちくまプリマー新書

謎解き 聖書物語

旧約聖書につづられた物語は史実なのか、それともフィクションなのか? 最新の考古学的研究をもとに謎に迫りながら、流れを一望できる聖書入門の決定版。

定価

946

(10%税込)
ISBN

978-4-480-68337-3

Cコード

0216

整理番号

313

2018/12/05

判型

新書判

ページ数

240

解説

内容紹介

ノアの方舟、バベルの塔、出エジプト…旧約聖書の有名な物語の数々。それは本当に起こったことなのか?それともたんなるフィクションに過ぎないのか?最新の考古学的知見を用いながらひとつひとつ明らかにする。旧約聖書の物語がこれ一冊でわかる!

目次

第1章 アダムとイブ―人類誕生の謎(ミトコンドリア・イブ
選集としての『旧約聖書』 ほか)
第2章 ノアの方舟―試行錯誤する神(神は悪を許しているのか
義人ノア ほか)
第3章 バベルの塔―文明へのまなざし(魔天楼
象徴としての魔天楼 ほか)
第4章 出エジプト―それは本当に起こったのか?(エクソドス
エジプトに住むイスラエル人たち ほか)
第5章 ダビデとゴリアテ―永遠のヒーロー誕生(ダビデ像
サウルの失墜 ほか)

著作者プロフィール

長谷川修一

( はせがわ・しゅういち )

1971年生まれ。立教大学文学部准教授。筑波大学大学院博士課程単位取得退学。ハイデルベルク大学(ドイツ)神学部博士課程に学び、テル・アビブ大学(イスラエル)大学院ユダヤ史学科博士課程修了。専門はオリエント史、旧約学、西アジア考古学。 主著に『聖書考古学』『旧約聖書の謎』(中公新書)、『ヴィジュアルBOOK 旧約聖書の世界と時代』(日本キリスト教団出版局)、『歴史学者と読む高校世界史』(共編著、勁草書房)など。

お詫びと訂正

2018年12月10日発行の長谷川修一著『謎解き 聖書物語』(ちくまプリマー新書)第1刷に誤りがありました。
現代ヘブライ語と異なり、旧約聖書の「テーヴァー」という語には、厳密には「箱」という意味はありません。また、「契約の箱」の「箱」に使われている語は、「アローン」という別の語です。下記の通り訂正し、謹んでお詫び申し上げます。


p.62 第3段落目
【誤】方舟ということばは、ほかにあまり使われないことばです。ヘブライ語では「テーヴァー」といい、もともと「箱」を意味することばです。
【正】方舟ということばは、ほかにあまり使われないことばです。ヘブライ語では「テーヴァー」といい、この物語以外では一か所で使われるだけです。

p.64-65 第2~3段落目
【誤】
 同じ「テーヴァー」ということばであらわされるものに、「契約の箱」というものがあります。「契約」とは、のちに神とイスラエルの人びとが特別な関係を結ぶときにかわした取り決めのことです。神はイスラエルの人びとの神となり、人びとは神のおきてを守らなければならない、という取り決めで、イスラエルの人びとにとってはとても大事な契約でした。神はこの契約のことばを石の板にしるし、それを直方体の「箱」に入れたのです。この箱は、非常に大切にされ、神をまつる神殿ができたあとは、神殿の一番奥におかれていました。
 つくるように、とノアが神に命じられた「箱」ということばを読んだ当時の人びとがまつさきに思いうかべたのは、「舟」ではなく、この「契約の箱」だったにちがいありません。神はノアとも「契約を立てる」といっています。ひとたび「契約」を結ぶと、神とノアとの両方に契約に記されたことを行う義務がうまれます。契約の内容はここでは明かされませんが、ノアがこのあと大地の滅亡を生き残ったことを考えると、ノアとその家族を生きのびさせたことであったと考えられるでしょう。ノアには神の命令にしたがって方舟をつくることがもとめられていました。ここでは、契約の大切さが示されているのです。神との契約をしっかりまもる人を神はけっしてほろぼさない、というメッセージを、当時の人びとは受けとったことでしょう。

【正】
 同じ「テーヴァー」ということばであらわされるものに、モーセの入れられたパピルスの入れ物があります。本書の第4章でくわしく見ますが、出エジプト記二章の物語によれば、のちにイスラエルの人びとの指導者となり、奴隷であったイスラエルの人びとをエジプトから脱出させた人物モーセは、生まれてまもなく、命の危機にひんしました。イスラエル人の男児が生まれたらナイル川に投げ込むようにエジプトの王ファラオに命令されていたからです。しかし、母親は赤ん坊のモーセを殺すことができず、パピルスの箱に入れて、ナイル川のほとりにおきました。そこにたまたまやってきたエジプトの王女がモーセをとりあげ、やがてモーセは王女の子となりました。
 『旧約聖書』のなかで「テーヴァー」ということばは、ノアの箱舟と、このモーセが入れられた「箱」にしかもちいられません。つくるように、とノアが神に命じられた「箱」ということばを読んだ当時の人びとがまっさきに思いうかべたのは、モーセの入れられた「箱」だったにちがいありません。逆に、出エジプト記の物語を読む人は、ノアの「箱舟」のことを連想したにちがいありません。ノアの「箱舟」にのった人びとや動物の命が救われたことと、モーセの「箱」がエジプトの王女によって奇跡的にひろいあげられモーセの命が救われたことは、ともに神のみちびきによるというメッセージを読みとることができます。

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