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ちくまプリマー新書

悪いことはなぜ楽しいのか

意地悪、ルールを破るなど、いけないことには絶妙に心躍る瞬間がある。なぜそういった気持ちになってしまうのか。私たちのダメな部分から「悪と善」を考える。

定価

880

(10%税込)
ISBN

978-4-480-68488-2

Cコード

0212

整理番号

459

2024/06/05

判型

新書判

ページ数

160

解説

内容紹介

意地悪、ルールを破るなど、いけないことには絶妙に心躍る瞬間がある。なぜそういった気持ちになってしまうのか。私たちのダメな部分から「悪と善」を考える。

「やられたらやりかえす」「ルールは破るためにある」
「空気なんて知らない」「意地悪したい」
「自分が楽しければいい」

これに共感する私って「ふつう」ですよね?

ちょっといけないことをしたとき、ドキドキして心が躍る。
意地悪、自己中、復讐にも絶妙な快楽がつきまとう。
なぜ、私たちはそんな気持ちになってしまうのか?
私たちのよくない部分から、悪と善を考える。


 この本は決して、みなさんを悪の道に進ませようとしているわけではありません。あるいは反対に、「こういう風に行為することは悪いことだからやめよう」といった、お説教をしたいわけでもありません。そうではなく、私たちにとって本当に「悪い」ことを見定め、そして「悪い」ことに誘惑されてしまう人間の弱さを受け入れながら、よりベターな生き方がどのようなものかを考える手がかりを提供すること、それがこの本が目指していることです。
(「はじめに」より)

目次

第一章 自己チューなのはなぜ楽しいのか
勝手にハモらないでくれ!
平等の弊害
万人の万人に対する闘争
リヴァイアサンとしての権力
自己中がそれ自体で悪ではない
カラオケにおけるエゴイズム

第二章 意地悪はなぜ楽しいのか
魔王には「ぐおおおおおおお」と言ってほしい
なぜ人は悪意を抱くのか
さまざまな悪意
『こころ』における嫉妬
意地悪と同情
性格は変えられる?
 
第三章 復讐することはなぜ楽しいのか
「ぐぬぬ」顔を見せてみろ
復讐は悪いことか?
神なき世界の倫理
苦痛と快楽の両立
正義にかなった復讐
お金の有効性と限界

第四章 自傷行為はなぜ楽しいのか
筋トレは自傷行為か?
リストカットはいけなそう?
断食に誇りを感じられるか
誰もが納得できる行為とは?
人間の尊厳
自傷行為をしてはいけない理由

第五章 空気を読まないのはなぜ楽しいのか
制服を着崩す権利
「空気」の同調圧力
時代を支配する空気
なぜ人は空気を読むのか
本来性を取り戻す
空気を読まないで生きていこう

第六章 反逆するのはなぜ楽しいのか 
空手とブレイクダンス
ルールを変えることの難しさ
「正しい生き方」とは何か
反逆の暴力性
複数性と全体主義
正しく反逆するために
「悲惨な人々」を生まないために

著作者プロフィール

戸谷洋志

( とや・ひろし )

戸谷 洋志(とや・ひろし):1988年東京都生まれ。立命館大学大学院 先端総合学術研究科准教授。法政大学文学部哲学科卒業後、大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学。ドイツ現代思想研究に起点を置いて、社会におけるテクノロジーをめぐる倫理のあり方を探求する傍ら、「哲学カフェ」の実践などを通じて、社会に開かれた対話の場を提案している。著書に『ハンス・ヨナスの哲学』(角川ソフィア文庫)、『ハンス・ヨナス 未来への責任』(慶應義塾大学出版会)、『原子力の哲学』『未来倫理』(集英社新書)、『スマートな悪 技術と暴力について』(講談社)、『友情を哲学する 七人の哲学者たちの友情観』(光文社新書)、『SNSの哲学リアルとオンラインのあいだ』(創元社)、『親ガチャの哲学』(新潮新書)『恋愛の哲学』(晶文社)など。2015年「原子力をめぐる哲学――ドイツ現代思想を中心に」で第31回暁烏敏賞受賞。

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