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定価

1,760

(10%税込)
ISBN

978-4-480-81483-8

Cコード

0095

整理番号

2006/12/14

判型

四六判

ページ数

240

解説

内容紹介

物事の本質を深く見つめ続けてきた作家の随想集。研ぎ澄まされた文章で綴られた一章一章は、あるときはしみじみと、あるときは粛然と、読者の胸に迫ってくる。

目次

記憶と身体
あの年の夏
山陰の白い壺
好きな季節の終り
わが郷里
老いてゆく
いやな感じ
昭和三十年代
名残りの藝
戦場の寝棺〔ほか〕

著作者プロフィール

高井有一

( たかい・ゆういち )

1931(昭和7)年東京生まれ。小説家。早稲田大学文学部卒業。55年から75年まで共同通信社文化部に勤務した。64年、立原正秋、加賀乙彦らとともに同人雑誌「犀」を創刊、その第4号(64年)に載せた「北の河」により第54回芥川賞を受けた。以後「少年たちの戦場」(68年)、「蟲たちの棲家」(73年)、「この国の空」(83年)等、作品のおよそ7割が、何等かの形で戦争に関はりを持つてゐる。ノンフィクションに傾いた作品としては、「夢の碑」(76年)、「真実の学校」(80年)、「塵の都に」(88年)、「立原正秋」(91年)、があり、「夜の蟻」(89年)と「愛日」(94年)は短篇連作の試みである。短篇はずつと書き続けて、「青梅」(80年)、「俄瀧」(84年)等にまとめた。最近作は「時の潮」(2002年)。(著者近影:坂本真典)

この本への感想

「主人公がやたらに不機嫌で、周囲に対して肩肘張っているのが目に付く」と作者は「十数年も前」に書いた「短編の連作」について言われます。私は事情があって作者の話を身近に聞く機会があり、小説の主人公と、実際の作者の人となりの隔たりにいつも違和感を抱いていました。

今回「夢か現か」を読み、その疑問はすべて氷解されました。現実の作者の等身大の姿がこの本にはありました。好々爺たる風貌と、目の前の出来事に対する、一瞬一瞬の作家としての時には厳しい、感性の繊細な反応とがこの随筆集に余すことなく表現されていたからです。
「高井有一の生活と意見」というべきものが、行間に溢れていました。私は丸2日間この本の周囲にいて、幸福な読書を味わいました。出来得れば、この随筆集のような「肩肘張らない」作柄の高井先生の短編集を読みたいと切に思いました。それはかなわぬことなのでしょうか?
高井先生の、「身辺の出来事に関するくさぐさの思い」を小説に「書き綴る」試みは可能であるかどうか「筑摩書房の松田哲夫さん」にご一考戴けないかと思う次第であります。

高安修蔵

さん
update: 2007/01/10

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