森まゆみ
( もり・まゆみ )一九五四年東京生まれ。八四年「谷中・根津・千駄木」創刊。地域史研究、文化財保存に尽力し、各新聞書評委員、文化庁文化審議会委員など歴任。日本ナショナルトラスト理事。近著に『千駄木の漱石』(ちくま文庫)、『子規の音』(新潮社)、『暗い時代の人々』(亜紀書房)、『「青鞜」の冒険――女が集まって雑誌をつくるということ』(集英社文庫)、『環境と経済がまわる、森の国ドイツ』(晶文社)など多数。
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いたちが跋扈し、木々の葉がそよぎ、泥棒が忍び足で入り、先生は石油ランプの下で執筆した。―イギリス留学より帰国後、一高・帝大への徒歩通勤、『吾輩は猫である』の予想外の反響、次々に押し寄せる災難など、明治の千駄木と漱石の暮らしを描き出す。
1(明治の借家事情
「偏鄙にて何の風情もこれなく―」 ほか)
2(子規と漱石―松山にて
「転居せんと思うがよき家はなきか」―野村伝四と野間真綱 ほか)
3(牡蛎的生涯
雁の肉、猪の肉―食いしんぼうの漱石 ほか)
4(鈴木三重吉の手紙一件
「死んでいい奴は千駄木にゴロゴロ」 ほか)
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