太宰治賞
第37回

2021/05/10

第37回太宰治賞受賞作が決定いたしました!
 2021年5月10日(月)、第37回太宰治賞(筑摩書房・三鷹市共同主催)の最終選考が実施され、選考委員四氏(荒川洋治、奥泉光、中島京子、津村記久子)による厳正な選考の結果、以下のように受賞作が決定しましたので、お知らせいたします。


第37回太宰治賞受賞作
「birth」山家 望

【あらすじ】
 一ノ瀬ひかるは幼い頃、母に棄てられ、施設で育ち、高校を卒業して社会へ出た。手元に残された母子手帳が唯一の母とのつながりだった。誰も迎えに来てくれなかったとしても、母子手帳がある限りひとりぼっちではなく、ちゃんと存在が証明されている子どもなのだと実感することができた。わずかな記憶と、母子手帳に書かれた愛されていたはずの記録、そして児童憲章の理念を心の支えにしながら、余裕のない暮らしを送っていた。
 ある日、ひかるは公園で誰かが落とした母子手帳を拾う。そこに記された母親の名前は「松島ひかる」。同じ名前で、生年月日まで同じだった。その母子手帳をクリニックへと届け、他人とは思えない松島ひかるがどんな母親であるかを見届けるためにひとり待つ。しかし、ようやく現れた松島は思わぬ行動を見せる――。


【著者略歴】
山家 望(やまいえ・のぞみ)
東京都出身、東京都在住。
1987年生まれ、33歳。


 なお、贈呈式は6月15日(火)午後6時から如水会館で開催され、受賞者には記念品および賞金100万円が当日贈呈されます。贈呈式の様子は、ダイジェスト映像として後日公開する予定です。
(新型コロナウイルスの影響を考慮し、今回は規模を縮小して開催致します。例年開催されていた贈呈式後の記念パーティーは中止致します。新型コロナウイルス感染拡大の状況によって、贈呈式の開催を延期・中止する可能性もあります)


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