第一章 詩詩について
教室において、教師がその違いを意識するあまり、作者の実感や、作者の体験・具体にこだわり、その作品の解説に終始し、それで授業はこと足れりとしている場合もあるのではないでしょうか。生徒に目を向けるより、作者に寄り添う方が授業になりやすく、安心感もあるからです。また、当然ですが、多くの解説書も作者側の解説に終始しています。 でも、それでは詩の魅力の半分しか味わったことになりません。詩は、それを鑑賞する中で、作品の基本的な理解はもちろんですが、読み手自身に自らを掘り下げることも要求しているのです。作者の実感からいかに具体を読み取るか、詩の抽象をいかに自らの具体に着地させるかが問われているのです。そういう意味では、詩のヒミツの答えはひとつに限らず、読み手それぞれで違ってもくるわけです。また、それが面白いのです。 詩の授業では、作品理解ととともに、そういう読み手の想像力を喚起するテキストとしての詩の魅力に生徒が触れることも大事なことだと思います。 それでは、私の授業実践例です。 ●教材
|
|||||||