中島隆博
( なかじま・たかひろ )一九六四年生まれ。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授。中国哲学・比較思想史を専攻。論文「『荀子』における《正しい言語の暴力とそのほころび》」などで第一回中村元賞受賞。『事典 哲学の木』(講談社)では編集委員を務める。著書に『荘子──鶏となって時を告げよ』『ヒューマニティーズ 哲学』(いずれも岩波書店)、『残響の中国哲学──言語と政治』『共生のプラクシス──国家と宗教』(いずれも東京大学出版会)などがある。
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この世の悪は、一人ひとりがその行いを改めれば払拭できるものだろうか?自然災害に見舞われ、多くの人が苦しめられているとき、そこに悪の問題はないのだろうか?孔子や孟子、荘子、荀子などの中国古代の思想家たちも、悪という問題に直面し、格闘してきた。清代にいたるまでの、そうした悪をめぐる哲学的思考を辿りなおし、その可能性と限界を描き出す。悪にあらがい、その残酷さを引き受け、乗り越えるための方途を探る哲学の書である。
第1章 君子の悪と小人の悪
第2章 無善無悪
第3章 天と人―災異と天譴
第4章 性は善である
第5章 礼について
第6章 荘子と非倫理
第7章 性は悪である
おわりに 想像力のレッスン
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