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筑摩選書

紅白歌合戦と日本人

それは「心のふるさと」だった

誰もが認める国民的番組、紅白歌合戦。今なお40%台の視聴率を誇るこの番組の変遷を、興味深い逸話を交えつつ論じ、日本人とは何かを浮き彫りにする渾身作!

定価

1,870

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01586-0

Cコード

0336

整理番号

78

2013/11/13

判型

四六判

ページ数

352

解説

内容紹介

今なお、四〇パーセント台の視聴率を誇る、紅白歌合戦。「紅白」の歩みは、私たち日本人の歩みでもあった。美空ひばり、坂本九、山口百恵、都はるみ、SMAP、美輪明宏…。大晦日の夜、時代を彩る歌手が一堂に会し、その年のヒット曲を、懐かしの歌を、心に残る名曲を歌い上げる。時代とともにそのあり方を変えながら、国民的テレビ番組であり続ける「紅白」に、私たち日本人は何を求めてきたのか。今日に至るまでの「紅白」の歴史をたどり直し、日本人の心の軌跡を描き出す渾身作!

目次

序 私たちはなぜ、「紅白」を見続けるのか
第1章 復興のなかの「紅白歌合戦」(敗戦ショックと「紅白」の誕生
歌う女たち―占領期の歌謡曲
都会のムードと望郷の思い―高度経済成長期の歌謡曲
「紅白」が「国民的番組」となるとき
マイホームと故郷のあいだで―永六輔の登場
一九六三年「紅白」の高揚―テレビが作り出す“日本”)
第2章 豊かさのなかの「紅白歌合戦」(勝利するテレビと美空ひばりの“落選”
新しい音楽と“脱‐安住の地”―フォーク、ロック、ニューミュージックの台頭
歌謡曲のニューウエーブ―「一億総中流」時代の心象風景
「紅白」というホームドラマ
「熱愛」と「引退」―ワイドショー化する「紅白」
転換期の「紅白」―『熱き心に』と歌謡曲の衰退)
第3章 喪失と再生―八〇年代後半‐二〇〇〇年代の「紅白」(「紅白」生中継が映す“日本”―長渕剛、中島みゆき、そして戦後史
「ホームレス」であるということ―Jポップと分散化するコミュニティ
“安住の地”の未来形―アニソンと初音ミク
童謡が「紅白」トリとなるとき
遊び場となった「紅白」―パロディと乱入ゲーム
アイドルという希望―キャラクターの時代とSMAP)
終章 3・11以後の

著作者プロフィール

太田省一

( おおた・しょういち )

太田 省一(おおた・しょういち):1960年富山県生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、お笑い、アイドル、歌謡曲などメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアとの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった』(ちくま新書)、『紅白歌合戦と日本人』(筑摩選書)、『「笑っていいとも!」とその時代』(集英社新書)、『社会は笑う・増補版』『中居正広という生き方』『木村拓哉という生き方』(いずれも青弓社)、『水谷豊論』(青土社)ほか多数。

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