すが秀実「スガ」は糸へんに圭
( すが・ひでみ )文芸批評家。1949年生まれ。著書に『詩的モダニティの舞台』(論創社)、『吉本隆明の時代』(作品社)、『1968年』(ちくま新書)、『反原発の思想史』(筑摩選書)、『天皇制の隠語』(航思社)、『タイム・スリップの断崖で(書肆子午線)など。共著に『昭和の劇――映画脚本家 笠原和夫』(笠原和夫、荒井晴彦との共著、太田出版)、『アナキスト民俗学』(木藤亮太との共著、筑摩選書)など。編書に『ネオリベ化する公共圏』(花咲政之輔との共編、明石書店)など。
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1,980
円978-4-480-01650-8
0310
143
2017/04/12
四六判
400
頁「日本」民俗学を創始した柳田国男。その仕事は農政学、文学など多岐にわたる。夏目漱石と並び「国民的」知識人ともいうべき柳田は、吉本隆明、柄谷行人ら戦後の知識人からも熱心に論じられてきた。だが、若い時期に、アナキストたるクロポトキンから決定的な影響を受けたことは全く知られていない。これこそが、柳田の文学、農政学、民俗学をつなぐミッシングリンクであり、尊皇の国家官僚たる柳田の相貌も、そこから立ち現れてくる―。本書は、まったく新しい柳田像を提示した、画期的な書である。
1 柳田国男をめぐる象徴闘争(民俗学・農政学・文学
保守主義者という立場
「日本」は存在しない)
2 帝国主義国家官僚のクロポトキン(文学と革命
民俗学と共産主義
農政学と天皇制)
3 法・民主主義・固有信仰(『山の人生』をめぐって
民主主義の条件
天皇制とアジア主義
祖先崇拝と祖先以前性―エピローグにかえて)
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