東秀紀
( あずま・ひでき )1951年和歌山県生まれ(生育地・東京)。作家、都市計画史・観光史家。NKK都市開発研究所長、清泉女学院大学教授を経て、首都大学教授を2016年に退職。早稲田大学理工学部卒業。ロンドン大学大学院建築・計画学部都市計画専攻修了(M.Phil)。第19回歴史文学賞、2001年日本建築学会文化賞受賞。主著に『漱石の倫敦、ハワードのロンドン』『東京駅の建築家:辰野金吾伝』など。
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英国を代表する「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーはまた「観光の女王」でもあった。奇しくも同じ一八四一年に端を発する「ミステリ」(ポー「モルグ街の殺人」)と「観光」(トマス・クックによるツアー)は、束の間の「非日常」を楽しみ、平凡だが価値ある「日常」へと帰還する営みとして、大衆社会なかんずく大英帝国の繁栄の下、花開いた。その頂点をなすクリスティーの傑作群、六六作に及ぶクリスティーの長編の分析を通して、彼女が「ミステリ」と「観光」に託して描いた二〇世紀大英帝国の変容を明らかにする。
第1章 ミステリと観光
第2章 試行の旅―一九二〇年代
第3章 異郷の旅―一九三〇年代
第4章 不安の旅―一九四〇年代
第5章 田園の旅―一九五〇?一九六〇年代
第6章 最後の旅―一九七〇年代
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