黒川正剛
( くろかわ・まさたけ )1970年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術、東京大学)。現在、太成学院大学人間学部教授。専門は西欧中・近世史、宗教史。著書に『図説 魔女狩り』(河出書房新社)、『魔女とメランコリー』(新評論)、『魔女狩り─西欧の三つの近代化』(講談社選書メチエ)、訳書にバーストウ『魔女狩りという狂気』(創元社)などがある。
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ヨーロッパ中世末期。魔女狩りが激烈をきわめる中、各地で怪物、凶兆、天罰等々、怪異現象が大増殖した。前代未聞の規模で押し寄せる「異なるもの」に対して、人々は恐れおののきながらも、その異形に魅せられていく。畏怖と好奇心の交錯するなかから、いかにして近代的精神は立ち現れてくるのか。そこにどのような人間的本性が見えてくるのか―。ヨーロッパ中世怪異を丹念にたどり、近代的思考の誕生を切り出す。
第1章 近世以前の驚異と好奇心(天変地異と奇形の誕生
「前兆としての驚異」説の祖キケロ ほか)
第2章 大航海時代の幕開けと驚異の増殖(世界地図に対するあらたな認識
新種の植物の発見と植物誌の発展 ほか)
第3章 氾濫する宗教改革時代の怪物と驚異(「修道士仔牛」と「教皇驢馬」
カトリックの怪物解釈―宗派論争 ほか)
第4章 「魔女と好奇心」、そして近代的精神の成立(ファウストの実像
ファウスト伝説 ほか)
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