西研
( にし・けん )1957年鹿児島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了(社会哲学専攻)。京都精華大学助教授などを経て、現在、和光大学現代人間学部教授。著書に『実存からの冒険』『哲学的思考――フッサール現象学の核心』(ちくま学芸文庫)、『ヘーゲル・大人のなりかた』(NHKブックス)ほか。
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哲学は、「根源的真理」を問うものではない。その最大の目的は、一人ひとりの生き方と社会のあり方をよりよくすることであり、その方法は、プラトンが描くソクラテスにはじまり、フッサールの現象学にて真価を発揮した「対話」である。分断が進む現代において、人びとの間で納得できる答えを見つけだす方法とは?近年の研究の集大成。
第1部 「魂の世話」としての哲学―ソクラテスとプラトン(哲学はどうやって生まれたか―哲学と“軸の時代”
ソクラテスの生きた時代
魂の世話―『ソクラテスの弁明』
「?とは何か」の問い―『ラケス』
哲学対話の可能性
魂・国家・哲学・イデア―中期プラトンの思想)
第2部 「合理的な共通了解」をつくりだす―フッサール現象学の方法(二〇世紀哲学による「本質・真理」の否定
ギリシア哲学・幾何学・自然科学―共通了解をめぐる問題(一)
近代科学とともに生まれた難問―共通了解をめぐる問題(二)
現象学的還元と本質観取―現象学の方法(一)
現象学と“反省的エヴィデンス”―現象学の方法(二)
“超越論的還元”と認識問題の解決―現象学の方法(三))
第3部 どのように哲学対話を実践するか―正義の本質観取を例として(正義の本質観取―現象学の実践(一)
正義をめぐる問題と学説の検討―現象学の実践(二))
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