山本冴里
( やまもと・さえり )山口大学国際総合科学部准教授。日本およびフランスの複数の教育機関を経て現職。早稲田大学で博士号(日本語教育学)取得。日本語・フランス語(・英語・中国語)で研究活動を行っている。専門は日本語教育・複言語教育。とくに興味のある概念は「境界」と「周縁」。著書『戦後の国家と日本語教育』(くろしお出版、2014年)、『複数の言語で生きて死ぬ』(編著、くろしお出版、2022年)。
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「ぜんぶ英語でいいじゃない」に反論し、誰もがもつ複数言語能力の意義を訴える日本語教師が、世界の各地で慣れない言葉を使った体験を綴る、言語の旅の記録。
第1章 ちがう言葉でおなじ世界を夢に見る―日本語教師としての経験から(落ち葉を拾う
週末、何をしましたか?
いつも、はなちゃんのせい)
第2章 どうかあらゆる泉に敬意を―「ぜんぶ英語でいいじゃない」への長い反論(君は僕の髄液
地図と鉛筆と紙があれば
色気のあるカミュの声と、「せんせい、まっておれ!」
積みあげれば自分の背の高さになるまで
おばあちゃんと話したいから
ひとつのちから)
第3章 そういえば猫さえも国がちがう―三者三様の言語教師(良い風が巡っていますように
私はワイマールに生まれました
ひまわり畑がすごくって)
第4章 ぶらごだりや―言葉が通じない場所への旅(長く、安く、遠くに
季節はずれのサンタクロース
みなさまのために歌います
レモンをはさんだ枝で)
第5章 さえぎらないで、妄想中だから―歩くこと坐ること、食べること着ること(行きなさい、迷うことはない
あの味を手に入れるために
へりに立つ人
はじめてのママ友
あなたに平安がありますように
風をさがす―二〇二〇年)
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