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筑摩選書

戦場のカント

——加害の自覚と永遠平和

敵を赦せるか――

加害の自覚とは何か――。撫順戦犯管理所やアウシュヴィッツ収容所が人々に刻んだ体験は、人が人を赦すことの意味を峻烈に問う。人間の根底に迫った哲学的考察。

定価

1,870

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01800-7

Cコード

0310

整理番号

285

2024/08/08

判型

四六判

ページ数

256

解説

内容紹介

哲学者カントが訴えた〈永遠平和〉の眼目は、敵意が終わることにある。しかし、それは人間に可能なのか――。「撫順戦犯管理所」。中国で非道を為した日本兵たちがいた場所である。ここで中国人と日本人の間で起きた事態は、カントの理念の現実性を鮮烈なまでに突きつける。撫順を経た人々に加え、本書はアウシュヴィッツ収容所の帰還者やパレスチナ紛争の被害者の声にも耳を澄ませ、人が人を赦すことの意味を問う。人間の根底に光をあてた哲学的考察。

目次

凡例
まえがき
第一章 従軍の体験と沈黙
第二章 自己という証拠──悪魔はいない
第三章 死刑を超えて
第四章 拷問の果てに──謝罪とはなにか
あとがき
文献表

著作者プロフィール

石川求

( いしかわ・もとむ )

石川 求(いしかわ・もとむ):1958年、北海道生まれ。北海道大学文学部卒業。東北大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。東京都立大学名誉教授。博士(文学)。専門分野はドイツ近現代哲学。著書に『カントと無限判断の世界』(法政大学出版局、和辻哲郎文化賞受賞)、『世界市民の哲学』(共編、晃洋書房)、エルンスト・トゥーゲントハット&ウルズラ・ヴォルフ『論理哲学入門』(共訳、ちくま学芸文庫)ほか。

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