廣部泉
( ひろべ・いずみ )廣部 泉(ひろべ・いずみ):1965年生まれ。明治大学政治経済学部教授。東京大学教養学部卒、ハーバード大学大学院博士課程修了。Ph.D.(歴史学)。専門は日米関係とアメリカ外交史。著書『黄禍論――百年の系譜』(講談社選書メチエ)、『人種戦争という寓話』(名古屋大学出版会)、『グルー』(ミネルヴァ日本評伝選)、『大正史講義』(共著、ちくま新書)など。
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一九一九年パリ講和会議、それは日本が初めて大国として世界の檜舞台に立った瞬間だった。日本による人種差別撤廃提案は、人種差別否定という重要な世界史上の意味を持つと同時に、大国日本が国際会議で注目を浴びた最初の案件だった。本書は日本が有色人種のために利他的に人種平等を主張した提案だとことさら持ち上げるのでも、山東権益の取引材料として持ち出しただけと貶めるのでもなく、人種差別撤廃提案の真実の姿を明らかにし、その歴史的意義の正当な評価を試みるものである。
はじめに
第一章 誰が人種差別撤廃提案を起草したのか
第二章 日本全権、パリで活動開始
第三章 国際連盟規約案修正の試み
第四章 ウィルソンの心変わりと豪首相の抵抗
第五章 連盟規約前文へ挿入の試み
第六章 山東問題と人種差別撤廃提案
第七章 四月二八日の攻防
第八章 余波とその後
おわりに
参考文献
人名索引
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