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ちくま新書

教養としての大学受験国語

上級の教養をめざす、受験生と社会人のための思考の遠近法指南

日本語なのにお手上げの評論読解問題。その論述の方法を、実例に即し徹底解剖。アテモノを脱却し上級の教養をめざす、受験生と社会人のための思考の遠近法指南。

定価

1,012

(10%税込)
ISBN

978-4-480-05853-9

Cコード

0281

整理番号

253

2000/07/18

判型

新書判

ページ数

304

解説

内容紹介

高校・大学生の学力低下が社会的に問題になっているが、憂うべきなのは知識量の低下よりも、自ら考えるための思考力の低下である。大学受験国語は、限られた条件の下での出題とはいえ、高校の「国語」よりもはるかにバラエティに富む。心ある出題者が、思考の最前線に幾分かでも触れてほしいと願っているからだ。数ある受験問題の中から良問のみを厳選した本書は、たくまずして現代思想のすぐれたアンソロジーとなった。それらを解いてゆくことで、受験生、大学生、ひいては社会人にも、思考力が身につく、明快な一冊。

目次

はじめに

序 章 たった一つの方法

第1章 世界を覆うシステム──近代
過去問1 抑圧する近代合理主義
過去問2 自然と共同体からの解放

第2章 あれかこれか──二元論
過去問3 脱構築という方法
過去問4 子どもの発見と二項対立

第3章 視線の戯れ──自己
過去問5 自我を癒す
過去問6 近代的自我からの脱却

第4章 鏡だけが知っている──身体
過去問7 「身体をもつ」ことと「身体である」こと
過去問8 私の欲望は他者の欲望である

第5章 彼らには自分の顔が見えない──大衆
過去問9 いかなる権威をも否定する権威
過去問10 小さな差異を生きる「わたし」
過去問11 都市が大衆を生み出した

第6章 その価値は誰が決めるのか──情報
過去問12 弱者のふりをした権力
過去問13 感性の変革の語り方

第7章 引き裂かれた言葉──日本社会
過去問14 共同性と公共性
過去問15 個人(ホンネ1)と世間(ホンネ2)と社会(タテマエ)

第8章 吉里吉里人になろう──国民国家
過去問16 方言は言語に憧れる
過去問17 日本語と想像の共同体

おわりに

著作者プロフィール

石原千秋

( いしはら・ちあき )

一九五五年東京都生まれ。成城大学大学院文学研究科博士課程後期中退。東横学園女子短期大学助教授、成城大学教授を経て、現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は日本近代文学。夏目漱石から村上春樹までテクスト分析による斬新な読解を提供しつつ、国語教育への問題提起も果敢に行っている。著書に『漱石と三人の読者』(講談社現代新書)、『漱石はどう読まれてきたか』『秘伝中学入試国語読解法』(いずれも新潮選書)、『謎とき 村上春樹』(光文社新書)、『『こころ』大人になれなかった先生』(みすず書房)、『読者はどこにいるのか』(河出ブックス)、『小説入門のための高校入試国語』(NHKブックス)、『教養としての大学受験国語』『大学受験のための小説講義』『国語教科書の思想』『国語教科書の中の「日本」』『大学生の論文執筆法』(いずれもちくま新書)ほか。

メディア情報

この本への感想

文学の本質への入り口を見た
『テクストはまちがわない』などの著書は重すぎてなかなか読めませんでした。しかし、受験に全く関係ない年齢になり、なにか精神的な余裕をもって受験国語に接する機会を作ってくれた新書でした。文学の本質への入り口を見たような感じがしました。これからはその入り口に一歩踏み込みたいと思わせた著書でした。

ばいきんまん

さん
update: 2011/02/12

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