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ちくま新書

「資本」論

——取引する身体/取引される身体

定価

946

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06264-2

Cコード

0233

整理番号

556

2005/09/05

判型

新書判

ページ数

304

解説

内容紹介

「私的所有」が制度化され、市場経済が発展し、資本主義の秩序が支配する世界は、それ以前の「自然」な状態よりも、おおむね有益である。だがそうした世界は不平等や労働疎外をも生みだす。それでもなお、私たちはこの世界に踏みとどまるべきであり、所有も市場も捨て去ってはならない。本書はその根拠を示し、無産者であれ難民であれ「持たざる者=剥き出しの生」として扱われることがないよう、「労働力=人的資本」の所有者として見なすべきことを提唱する。「所有」「市場」「資本」等の重要概念を根本から考察した末に示されるこうした論点は、これからの社会を考える上で示唆に富む。

目次

プロローグ 自然状態からの社会契約
1 「所有」論
2 「市場」論
3 「資本」論
4 「人的資本」論
エピローグ 法人、ロボット、サイボーグ―資本主義の未来

著作者プロフィール

稲葉振一郎

( いなば・しんいちろう )

1963年東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。岡山大学経済学部助教授、モナシュ大学日本研究センター客員研究員等を経て、現在、明治学院大学社会学部教授(社会倫理学)。著書に『ナウシカ解読──ユートピアの臨界』(窓社)、『リベラリズムの存在証明』(紀伊國屋書店)、『オタクの遺伝子──長谷川裕一・SFまんがの世界』(太田出版)、『「資本」論──取引する身体/取引される身体』(ちくま新書)、『モダンのクールダウン』『「公共性」論』(以上、NTT出版)などがある。 (写真撮影:鈴木理策)

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