鈴木直
( すずき・ただし )鈴木 直(すずき・ただし):1949年東京生まれ。東京大学大学院比較文学比較文化博士課程退学。東京医科歯科大学教授、東京経済大学教授を歴任。専攻はドイツ思想史。
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難解な思想・哲学書の翻訳に手を出して、とても理解できないと感じ、己の無知を恥じ入る。そんな経験はないだろうか。読者をそのように仕向ける力の背後には、じつは日本の近代化における深刻な問題が控えているのである。カント、ヘーゲル、マルクスの翻訳の系譜とそこに反映された制度的拘束をあぶり出し、日本の学問と翻訳の可能性を問う。
序章 思想・哲学書の翻訳はなぜ読みにくいのか
第1章 『資本論』の翻訳
第2章 ドイツの近代化と教養理念
第3章 日本の近代化の基本構図
第4章 ジャーナリズムとアカデミズムの乖離
第5章 輸入学問の一断面―カントとヘーゲルの翻訳
第6章 翻訳とはなにか
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