下條信輔
( しもじょう・しんすけ )1955年生まれ。東京大学文学部心理学科卒、同大学院人文科学研究科博士課程修了。東京大学助教授などを経て、現在カリフォルニア工科大学教授。専門は知覚心理学、認知脳科学、認知発達学。著書に『まなざしの誕生』(新曜社)、『<意識>とは何だろうか』(講談社現代新書)、『サブリミナル・マインド』(中公新書)、『サブリミナル・インパクト』(ちくま新書)など、訳書にリベット『マインド・タイム』(岩波書店)などがある。
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現代社会は過剰な刺激に満ちている。直接快楽を刺激する音楽と映像。絶え間なくメッセージを投げかけるメディアやコマーシャル。それらは私たちの潜在脳に働きかけて、選択や意思決定にまで影を落とす。が、私たちはそれを自覚しない。意識下にある情動・認知系への介入は、意識レベルでは認識されないからだ。本書は、「情動」と「潜在認知」に関わる認知神経科学の知見をもとに、現代の諸相をつぶさに検証、創造性をもたらす暗黙知の沃野に分け入って、新たな人間観を問う意欲作。
序章 心が先か身体が先か―情動と潜在認知
第1章 「快」はどこから来るのか
第2章 刺激の過剰
第3章 消費者は自由か
第4章 情動の政治
第5章 創造性と「暗黙知の海」
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