長山靖生
( ながやま・やすお )長山靖生(ながやま・やすお):1962年生まれ。評論家。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。開業医のかたわら、世相や風俗、サブカルチャーから歴史、思想に至るまで、幅広い著述活動を展開する。著書『日本SF精神史』(河出書房新社、日本SF大賞・星雲賞・日本推理作家協会賞)、『偽史冒険世界』(筑摩書房、大衆文学研究賞)、『帝国化する日本』(ちくま新書)、『日本回帰と文化人』(筑摩選書)、『萩尾望都がいる』(光文社新書)など多数。
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ふつうの子育てが難しくなってきている。子供をめぐる相次ぐ犯罪。家庭の外にも危険はあふれているが、本当の危機は家庭内にこそある。かつては特殊な家庭にだけ起こると思われていた児童虐待、親殺し、子殺しといった事件は、ほんの少しの親子関係のゆがみが引き起こす、今やどの家庭にでもあり得るものとなってしまった。子供を愛するがゆえに、かえって病の構造を抱えてしまうのはなぜか。子供が幼児期から自立するまでを無事に過ごすために、親ができることを考える。
序章 「ふつう」がどんどん遠くなる(「ふつう」が難しい
わが子の事件かもしれない ほか)
第1章 「お子様」な親たちの罪―虐待の誘惑をどう斥けるか(「育てられる者」から「育てる者」へ
ネグレクト―自覚なき悪意の怖さ ほか)
第2章 「あの子と同じ」という抑圧(「お受験殺人」とはなんだったのか
少子化・晩婚化・階層化とお受験 ほか)
第3章 格差拡大の恐怖が、親子を脅かす(子供の「階層化」の亢進
「親の関心」は経済力に勝る ほか)
第4章 子供の自立にどうかかわるか(思春期の危機は誰にでも訪れる
暴力衝動をどう発散させるか ほか)
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