杉山春
( すぎやま・はる )1958年生まれ。雑誌記者を経て、現在、フリーのルポライター。生活保護家庭で育った青年たちの支援にも携わる。著書には、『ネグレクト』(小学館、小学館ノンフィクション賞受賞)、『移民環流』『満州女塾』(いずれも新潮社)がある。
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二〇一〇年夏、三歳の女児と一歳九カ月の男児の死体が、大阪市内のマンションで発見された。子どもたちは猛暑の中、服を脱ぎ、重なるようにして死んでいた。母親は、風俗店のマットヘルス嬢。子どもを放置して男と遊び回り、その様子をSNSで紹介していた…。なぜ幼い二人は命を落とさなければならなかったのか。それは母親一人の罪なのか。事件の経緯を追いかけ、母親の人生をたどることから、幼児虐待のメカニズムを分析する。現代の奈落に落ちた母子の悲劇をとおして、女性の貧困を問う渾身のルポルタージュ。
プロローグ(接見室の母親
餓死現場 ほか)
第1章 事件(二〇一〇年二月マンションに響く泣き声
夜の女性たちが暮らす町 ほか)
第2章 父の物語(新旧が継ぎはぎされた町
赴任先はランク最下位の困難校 ほか)
第3章 高校時代(高校での生活
ラグビー部のマネジャーとして ほか)
第4章 離婚(理由のない浮気
子どもを放置して出奔 ほか)
第5章 母なるものとは(大阪ミナミの風俗店に転職
福島のDV被害者の場合 ほか)
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