木村靖二
( きむら・せいじ )1943年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程中退。ミュンヘン大学留学。茨城大学助教授、立教大学教授、東京大学大学院人文社会系研究科?ウ授、立正大学文学部教授を経て、現在、東京大学名誉教授。専攻はドイツ近現代史。著書に『二つの世界大戦』(世界史リブレット、山川出版社)、『ドイツ史』(山川出版社)、『世界大戦と現代文化の開幕 世界の歴史26』(共著、中央公論新社)などがある。
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一九一四年に勃発したバルカン戦争は、当初の誰もが予想しなかった経緯をたどり、ヨーロッパ戦争へ、そして世界大戦へと拡大する。「短い二〇世紀」のはじまりであり現代史の画期となる第一次世界大戦である。本書では、近年の研究を踏まえながら、その戦史的経過、技術的進展、社会的変遷を辿り、国際体制の変化、「帝国」から「国民国家」への移行、女性の社会進出、福祉国家化などをもたらしたこの出来事を考察する。
序章 第一次世界大戦史をめぐって(第一次世界大戦の名称
第一次世界大戦史研究の軌跡
戦争責任論争
戦争責任論争から修正主義へ
「合意」の成立とフィッシャー論争
大戦前史から大戦史へ)
第1章 一九一四年―大戦の始まり(バルカン戦争から世界戦争へ
緒戦の機動戦)
第2章 物量戦への移行と防御の優位(戦時経済体制の構築
膠着する戦況と両陣営の増強
防御の優位―西部戦線での攻防)
第3章 戦争目的の重層化と総力戦体制の成立(戦争目的の錯綜と戦時体制の亀裂
一九一七年の危機―戦争指導体制の再構築)
第4章 大戦終結を目指して(ロシアの脱落とアメリカの参戦
決戦の年)
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