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ちくま新書

第一次世界大戦

100年前のこの戦争が、 世界の姿を変えた。

第一次世界大戦こそは、国際体制の変化、女性の社会進出、福祉国家化などをもたらした現代史の画期である。戦史的経過と社会的変遷の両面からたどる入門書。

定価

968

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06786-9

Cコード

0222

整理番号

1082

2014/07/07

判型

新書判

ページ数

240

解説

内容紹介

一九一四年に勃発したバルカン戦争は、当初の誰もが予想しなかった経緯をたどり、ヨーロッパ戦争へ、そして世界大戦へと拡大する。「短い二〇世紀」のはじまりであり現代史の画期となる第一次世界大戦である。本書では、近年の研究を踏まえながら、その戦史的経過、技術的進展、社会的変遷を辿り、国際体制の変化、「帝国」から「国民国家」への移行、女性の社会進出、福祉国家化などをもたらしたこの出来事を考察する。

目次

序章 第一次世界大戦史をめぐって(第一次世界大戦の名称
第一次世界大戦史研究の軌跡
戦争責任論争
戦争責任論争から修正主義へ
「合意」の成立とフィッシャー論争
大戦前史から大戦史へ)
第1章 一九一四年―大戦の始まり(バルカン戦争から世界戦争へ
緒戦の機動戦)
第2章 物量戦への移行と防御の優位(戦時経済体制の構築
膠着する戦況と両陣営の増強
防御の優位―西部戦線での攻防)
第3章 戦争目的の重層化と総力戦体制の成立(戦争目的の錯綜と戦時体制の亀裂
一九一七年の危機―戦争指導体制の再構築)
第4章 大戦終結を目指して(ロシアの脱落とアメリカの参戦
決戦の年)

著作者プロフィール

木村靖二

( きむら・せいじ )

1943年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程中退。ミュンヘン大学留学。茨城大学助教授、立教大学教授、東京大学大学院人文社会系研究科?ウ授、立正大学文学部教授を経て、現在、東京大学名誉教授。専攻はドイツ近現代史。著書に『二つの世界大戦』(世界史リブレット、山川出版社)、『ドイツ史』(山川出版社)、『世界大戦と現代文化の開幕 世界の歴史26』(共著、中央公論新社)などがある。

この本への感想

印象的だったのは、この大戦から始まった「国家総力戦」という言葉の持つ意味。
国民全員が勝利のために戦う、という意味程度に思っていたが、

裏を返せば敵国民を戦闘員のみならず市民もせん滅する、という意味だと書かれていたこと。
確かにこちらが全員で闘うということは全員戦闘員。やるかやられるかなら相手も全員戦闘員という扱いになるのだ。
恐ろしいことだ。
それまでの戦争は軍人だけが闘って国の勝敗を決めるものだっただけに、
国の総合力の大小にかかわらず、軍隊の戦略の優劣次第で小さな国も勝てた。日露戦争もそういう面もあったろう。
しかし一次大戦からは、総力戦ということで、資源の豊富な国が勝つ仕組みが出来あがってしまった。
二次大戦でアメリカが勝ったのは必然だったのだ。日本が負けることも。

総力戦になって国民が巻き込まれ、戦争が残酷なものになってしまったということか。
次の戦争が起こるまではずっと敗戦国のままの日本。
でも次の戦争も総力戦になることは必至。起こしてはいけない。

まゆはる

さん
update: 2015/01/14

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