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ちくま新書

大東亜戦争 敗北の本質

野中郁次郎氏推薦 「本書を読まねば戦後は終わらない」

なぜ日本は戦争に敗れたのか。情報・対情報・兵站の軽視、戦略や科学的思考の欠如、組織の制度疲労――多くの敗因を検討し、その奥に潜む失敗の本質を暴き出す。

定価

858

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06843-9

Cコード

0231

整理番号

1132

2015/07/06

判型

新書判

ページ数

224

解説

内容紹介

なぜ日本は大東亜戦争に敗れたのか。情報・対情報・兵站の軽視、そしてそれを招いた科学的思考の欠如、日露戦争辛勝以来の組織の制度疲労がまず原因として挙げられる。だが数々の失敗を検証するなかで見えてくるのは、戦略がまったく欠落していたこと、そして何より失敗から学ばず、その失敗を「なかったこと」にしてしまう、帝国陸海軍の自己革新能力の劣化と喪失であった。戦史研究に長年携わってきた著者が、戦後七十年の今こそ、敗北の裏にあったものは何かを問いなおす。

目次

第1章 情報と兵站(戦略と戦術
情報・対情報とは何か
兵站の重要性)
第2章 開戦までの経緯(開戦前の日本の国力
国力をどう判断したのか)
第3章 「シーレーン防衛」破綻の原因(開戦前の船舶損耗見積
会戦後の船舶損耗の実態
シーレーン防衛失敗の理由)
第4章 「白兵銃剣突撃主義」採用の誤り(「日露戦史」編纂過程における瑕疵
『歩兵操典』の改訂に見る不可思議
『戦役統計』による日露戦争の実相の検証
その他の「典範令」の制定に見る帝国陸軍の硬直性)
第5章 戦争指導の不徹底(開戦前の戦争指導構想
「今後採ルヘキ戦争指導ノ大綱」
希望的観測によるミス)
第6章 ガダルカナル島への航空基地設定(初期侵攻作戦終了後の動き
ガダルカナル島の戦い
奪取失敗・壊滅から撤退へ
陸軍の問題点)
第7章 戦争末期の陸海軍の迷走(帝国海軍の隠蔽体質―海軍乙事件
大戦略が欠落した陸軍―大陸打通作戦)

著作者プロフィール

杉之尾宜生

( すぎのお・よしお )

1936年鹿児島市生まれ。ラ・サール高校4期。防衛大学校5期(1961年)。陸上自衛隊入隊。第7師団戦車大隊(北千歳)、第1師団偵察隊(練馬)などを経て、防衛大学校助教授、教授(元1等陸佐)を歴任。2000年定年退官。戦略研究学会、クラウゼヴィッツ学会などの会員として戦史・戦略の研究に邁進中。著書に『失敗の本質』(共著、中公文庫)、『戦略の本質』『撤退の本質』(共著、日経ビジネス人文庫)、『現代語訳 孫子』(編著、日本経済新聞出版社)など、訳書にマイケル・ハンデル『孫子とクラウゼヴィッツ』(共訳、日本経済新聞出版社)がある。

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