杉山春
( すぎやま・はる )1958年生まれ。雑誌記者を経て、現在、フリーのルポライター。生活保護家庭で育った青年たちの支援にも携わる。著書には、『ネグレクト』(小学館、小学館ノンフィクション賞受賞)、『移民環流』『満州女塾』(いずれも新潮社)がある。
loading...
現在、「ひきこもり」と呼ばれる人々の数は、およそ七〇万人、親や社会の価値観でみずからを束縛した挙句、羞恥心と屈辱にまみれざるをえなかった彼・彼女たち。ひとたび密室に閉じこもれば、家庭は激しい暴力に満ちた世界へと一変することも…。現代を支配する息苦しさの象徴である「ひきこもり」を長年にわたった取材し、絶望の底で現代の辛苦に寄り添ってきた著者が、“家族の絆”という神話に巨大な疑問符をつきつける。閉ざされた内奥に目を凝らし、現代の希望を探しもとめる圧倒的なノンフィクション。
第1章 ひきこもり七〇万人の時代―閉じてゆく核家族
第2章 家族という幻想―近代日本のイエ制度
第3章 私の中のひきこもり―内在的に問う
第4章 家族の絆という神話―価値を継承する装置
第5章 親たちの苦悩―親を降りられない父と母
第6章 見えないイエ制度―自己卑下という地獄
第7章 ひきこもりの女性たち―家族が解体されるとき
終章 家族をひらく―自分の場所を社会につくる
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。