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ちくま新書

天皇の戦争宝庫

——知られざる皇居の靖国「御府」

御府と呼ばれた五つの施設は「皇居の靖国」といえる。しかし、戦後その存在は封印されてしまった。皇居に残された最後の禁忌を描き出す歴史ルポルタージュ。

定価

880

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06975-7

Cコード

0221

整理番号

1271

2017/08/03

判型

新書判

ページ数

240

解説

内容紹介

存在が隠されている一角が皇居にある。かつて「御府」と呼ばれた五つの施設。振天府(日清戦争)、懐遠府(北清事変=義和団事件)、建安府(日露戦争)、惇明府(第一次大戦、シベリア出兵)、顕忠府(済南・満州・上海事変、日中・太平洋戦争)には、戦利品や戦病死者の写真・名簿が収蔵され、天皇が英霊に祈りを捧げていると?`えられた。国威発揚、戦没者の慰霊・顕彰、国民と軍に対する教育施設、つまり「皇居の靖国」といえる。しかし、戦後その存在は封印されてしまった。皇居に残された最後の禁忌を描き出す歴史ルポルタージュ。

目次

序章 存在が隠されている皇居の一角
第1章 「朕が子孫、臣民に知らしむべし」―戦勝の記念と皇恩
第2章 輝ける明治の戦果―国民教育の施設へ
第3章 開放と崇敬の衰退―大正期の遠い戦争
第4章 靖国神社との直結―昭和の「十八年戦争」
第5章 封印された過去―歴史の宝庫として残った戦後

著作者プロフィール

井上亮

( いのうえ・まこと )

1961年大阪生まれ。86年日本経済新聞社に入社。東京、大阪の社会部で警視庁、大阪府警、法務省などを担当。現在、編集委員(皇室、近現代史)。元宮内庁長官の「富田メモ」報道で2006年度新聞協会賞を受賞。著書に『非常時とジャーナリズム』(日経プレミアシリーズ)、『天皇と葬儀――日本人の死生観』(新潮選書)、『焦土からの再生――戦災復興はいかに成し得たか』(新潮社)、『熱風の日本史』(日本経済新聞出版社)、『忘れられた島々――「南洋群島」の現代史』(平凡社新書)、『昭和天皇は何と戦っていたのか――「実録」で読む87年の生涯』(小学館)、共著に『「東京裁判」を読む』『「BC級裁判」を読む』(ともに日経ビジネス人文庫)がある。

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