楊海英
( よう・かいえい )楊 海英(よう・かいえい):1964年、南モンゴル・オルドス高原生まれ。静岡大学人文社会科学部教授。専攻は文化人類学。北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。著書『モンゴル人の中国革命』『内モンゴル紛争』(ちくま新書)、『紅衛兵とモンゴル人大虐殺』(筑摩選書)、『墓標なき草原』(岩波現代文庫、司馬遼太郎賞)、『チベットに舞う日本刀』(文藝春秋、樫山純三賞)、『モンゴル帝国』(講談社現代新書)、『中国を見破る』(PHP新書)など多数。
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モンゴルの南、内モンゴル地方。十九世紀末から中国の植民地となったこの地に日本が現れ、その三分の二が実質的に満洲国の一部となるが、残り三分の一のオルドス地方は国民党支配下にとどまった。そこへ毛沢東が現れ、抗日と反共の間で揺れるオルドスをやがて悲劇が見舞う。日本の敗北にともない起きた国共内戦、中国共産党革命によって内モンゴル全体が蹂躙されていく―。諸勢力間で翻弄された草原の人々の激動の歴史を、その地を故郷とする歴史人類学者が鮮やかに描き出す。
第1章 清朝は遠くなりにけり―雪花如意・蘆占魁・出口王仁三郎
第2章 赤い都市と赤い英雄―日本統治時代のモンゴル
第3章 赤い太陽と「草原の黒い霧」―中国共産党の内モンゴル占領
第4章 万里の長逃―中国共産党によるモンゴル分断
第5章 草原に咲くピンクの花―中国共産党とアヘンの侵入
第6章 呪われた蒋介石と毛沢東―国民党と共産党のはざまで
第7章 天運尽きて、時勢に流るる―モンゴル人自決運動の挫折
第8章 エーデルワイスに散る―モンゴルを滅ぼした大量虐殺
第9章 女たちの「革命」
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