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ちくま新書

芸術人類学講義

人類は神とともに生きることを選んだ時、「創造する種」として歩み始めた。詩学、色彩、装飾、祝祭、美術の観点から芸術の根源を問い、新しい学問を眺望する。

定価

946

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07289-4

Cコード

0239

整理番号

1481

2020/03/05

判型

新書判

ページ数

272

解説

内容紹介

「ライオン・マン」―今からおよそ四万年前、世界最古の動物彫刻が現生人類の手によって創られた。材料はマンモスの象牙。二十世紀後半、ドイツ・シュターデル洞窟で発見された、ヒトとライオンを合体させた現実にはありえないハイブリッド・フィギュアはラスコー壁画より古い。人類はなぜ、「芸術」を欲するのか。人類は「神とともに生きる」ことを選んだ時より、「創造する種」としての歩みを始めた。多摩美術大学「芸術人類学研究所」が新しい学問の眺望を、本書において問いかける。

目次

序章 「芸術人類」の誕生―「根源からの思考」(生命の「臨界」と芸術の「根源」
「他者」から拓かれた?Aート)
第1章 爆発、丸石神、グラン=ギニョルな未来(芸術人類学とはなにか
岡本太郎と「芸術は爆発だ!」
石子と丸石―二つの石をめぐって
日本列島と“大地?”)
第2章 「ホモ・オルナートゥス:飾るヒト」―分節されない皮膚(「ホモ・オルナートゥス:飾るヒト」の誕生
「アール・デコ」と「プリミティヴ・アート」
シベリア「生死の皮」のインターフェース
反転と生命循環
モリスと「装飾」の古層
モリスと人類学
装飾主義:オーナメンタリズムへ)
第3章 野外をゆく詩学(遊歩による構想―ポエジーの探究
詩的トポスとしての小さな家―地上的次元
エクリチュールとしての造本―メディア的貫通
想像力と“インク”による書物論―物理学的
物の秘めたる―美術家たちの言語
Inversionと複素数の構造―数学的
Air Language―空中の本へ)
第4章 「東方哲学」の樹立に向けて(インド、神智学、近代仏教
「翁の発生」の射程
「国栖」をめぐって
「如来蔵」の哲学―折口信夫の「古代」と鈴木大拙の「霊性」が出逢う
「東方哲学」の樹立に

著作者プロフィール

鶴岡真弓

( つるおか・まゆみ )

専門は、ケルト芸術文化史、美術文明史。早稲田大学大学院修了、ダブリン大学トリニティ・カレッジ留学。現在、多摩美術大学芸術人類学研究所長・芸術学科教授。著書に、『ケルト/装飾的思考』『ケルト美術』(いずれも、ちくま学芸文庫)、『阿修羅のジュエリー』(イースト・プレス)など多数。

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