loading...

ちくま新書

闇の中国語入門

「我的精神快要崩潰了(私の精神はもう限界です)」。既存の中国語教科書では教えてくれない、心と社会の闇をあらわす45の言葉から、現代中国を理解する。

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07623-6

Cコード

0287

整理番号

1798

2024/06/05

判型

新書判

ページ数

256

解説

内容紹介

「我的精神快要崩潰了(私の精神はもう限界です)」。既存の中国語教科書では教えてくれない、心と社会の闇をあらわす45の言葉から、現代中国を理解する。

「生活が苦しい(日子很??)」
「ひとりぼっちだ(很孤?)」
「もう精神の限界です(我的精神快要崩?了)」
お金の不安や競争に疲れて悲鳴を上げるのは、どの国の若者も一緒です。
一方で、こんな状況を離れて「奢求(過度の望み)」を持たず、「??(リスク)」を回避し、「没出息(意気地なし)」と言われながらも「?平(寝そべる)」ことを選ぶ人も出てきました。
経済の悪化や社会への不満、同調圧力への反発は、中国社会に新たな文化を生み出しています。心と社会の闇を表現する45の言葉から読み解く、かつてない現代中国文化論。

<本書に登場する例文>
我的精神快要崩?了。
 →私の精神はもう限界です。
?个年?了?要靠父母?活,真是没出息。
 →この年齢でまだ親に養ってもらっているなんて、本当に情けない。
他因?欺?行?而失信于商??伴。
 →彼は詐欺行為により、ビジネスパートナーからの信用を失った。
?灰心,人生就是??起起落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落落的。
 →落ち込むな、人生には山あり谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷谷ありと言うだろう。

目次

はじめに
本書の使い方

第一章 心の闇
第一節 悲しみ
1. 有情?、?情? 不満を持っている
2. ?? 悲しい
3. 心酸 悲しい、悲しみがこみ上げる
4. ?躁 いらいらする
5. ?熬 耐えがたい
第二節 疎外感とさびしさ
1. 寂寞 さびしい
2. 孤? ひとりぼっちである
3. 无聊 つまらない
4. ?挂 気にかける
5. 吃醋 やきもちを焼く
6. 陌生 見知らぬ
7. 冷漠 冷たく無関心である
第三節 もがく
1.?扎 もがく、あがく
2. ??  気持ちがすっきりしない、どうしてよいかわからない
3. 焦?  焦慮する、焦燥感
4. 逞? 威勢を張る、強がる
5. ?? ぎこちない、ケンカ、ひねくれている
第四節 絶望する
1. 灰心 落胆する、気が滅入る
2. 迷茫 茫漠としている、当惑する
3. 崩? 崩壊する、感情の自制ができなくなる
4. 千?百孔 穴だらけ傷だらけ
5. 无法自拔 自分で抜け出すことができない
6. 恐惧 恐怖を感じる、怖がる
コラム1 文芸という名のメランコリー

第二章 社会の闇
第一節 危険とリスク
1. 大?大浪 (比喩的に)激しいあらし
2. ?? リスク、危険
3. ?狂 (言動が)軽薄、軽はずみである
4. ?浅 浅い、皮相である
5. 肆无忌? ほしいままにふるまって何らはばからない
6. 奢求 過度の望み
7. ?气 ひ弱である、苦労ができない、壊れやすい
第二節 失敗と諦め
1. 没出息/不争气 意気地なし
2. 内卷 内部でますます激しくなる競争
3. 失去 失う
4. 辜? (人の好意・期待・育成などに)背く、無にする
5. 失信 信用を失う
第三節 翻弄され、傷つく
1. ?弄 なぶる、ばかにする
2. 摧残 踏み躙る
3. 堕落 堕落する、没落する
4. 磨? 磨滅する
5. ?子手 死刑執行人
第四節 無為と抵抗
1. ?  ネガティブな状態、もしくはそれにまつわる文化
2. 混日子/摸? その日暮らしをする/さぼる
3. 佛系 仏系、無為無欲系
4. ?平 寝そべる
5. ?? 腐るがままに置いておく
コラム2 努力よりも仏様を信じる

終章 闇に終わり、闇から始まる

おわりに

著作者プロフィール

楊駿驍

( よう・しゅんぎょう )

楊 駿驍(よう・しゅんぎょう):1990年、中国生まれ。日本育ちの満州族。早稲田大学文学部卒業。同大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(DC2)、早稲田大学文学部講師(任期付)を経て、現在、二松学舎大学文学部専任講師。専門は現代中国文学とサブカルチャー。中国語、コミュニケーション学、ゲーム文化論の授業も担当する。共編著に『日中韓のゲーム文化論』(新曜社)がある。

メディア情報

本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。

  • [*]は必須項目です。おそれいりますが、必ずご記入をお願いいたします。
  • (ここから質問、要望などをお送りいただいても、お返事することができません。あしからず、ご了承ください。お問い合わせは、こちらへ)
  • ※お寄せいただいたご意見・ご感想の著作権は小社へ帰属し、当ホームページや小社出版物に転載させていただく場合がございます。
  • ※ご意見・ご感想への返信はいたしておりません。ご了承ください。

「ちくま新書」でいま人気の本

いま話題の本