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ちくま新書

リサーチ・クエスチョンとは何か?

問いのレベルをあげるために

「問い」は立てるだけで完結しない! 調査し分析する過程で、問いは磨かれ、育ち、よりよい問いへと変化を遂げるものだ。それを可能にするメソッドを解説する。

定価

1,056

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07656-4

Cコード

0230

整理番号

0

2024/11/06

判型

新書判

ページ数

304

解説

内容紹介

アカデミックな調査・分析、卒論・修論、探究学習から、マーケティング、ビジネス・リサーチにも!

問いを立て、調査・分析して報告する。その営みにおいて最初の関門である「問いを立てる」ことはそう簡単なものではない。それは立てれば終わりというわけではないからである。研究を進めていくなかで、当初の問いとは異なる形に問いを磨き「育てる」必要がある。そうした過程を経て、研究としてのセレンディピティが生まれるのだ。これまで語られてこなかった新しいリサーチ・クエスチョンとの向きあい方がわかる。

目次

はじめに――「リサーチ・クエスチョン」をめぐる不都合な真実

序 章 論文のペテン(詐術)から学ぶリサーチ・クエスチョンの育て方

第1章 定義する――リサーチ・クエスチョンとは何か?
1 Problem かQuestion か?
2 「リサーチ・クエスチョン」――本書における定義
3 社会調査における問い――資料やデータを使って比較的明確な答えを求めることが出来る問い
4 疑問文形式――クエスチョンマークがついた文章
5 簡潔な表現――長すぎず短かすぎず
6 「問いを育てる」ということ――論文のペテンを超えて

第2章 問いの内容を見きわめる――何について問うのか?
1 疑問符と言えば疑問詞?
2 5W1Hから2Wへ
3 What (記述)とWhy(説明)の関係
4 What とWhy を五回――研究の全過程を通してリサーチ・クエスチョンを深掘りしていく

第3章 問いの目的について確認する――そもそも何のために問うのか?
1 謎解きとしてのリサーチ、ルーチンワークとしてのアンケート調査
2 三種類の問題関心
3 2Wから2W1Hへ――確かなエビデンスにもとづくHow to (処方箋)の提案
4 問いの往復運動とリサーチ・クエスチョンの「仕切り直し」

第4章 「ペテン」のからくりを解き明かす――なぜ、実際の調査と論文のあいだにはギャップがあるのか?
1 論文の舞台裏
2 結果報告 対 経緯報告――論文が担う二つの使命
3 各時期完結型 対 漸次構造化型――調査のタイプによる違い
4 解説書や教科書における二つのブラインドスポット
5 リサーチ・クエスチョンの四類型

第5章  問いを絞り込む――どうすれば、より明確な答えが求められるようになるか?
1 筋が良い問い・悪い問い
2 実証可能性――そもそも答えが求められる問いなのか?
3 実行可能性
4 サブクエスチョンの設定

第6章 枠を超えていく――もう一歩先へ進んでいくためには?
1 総論と問題関心への回帰――木を見て森を見る、森を見て木を見る
2 「事例について知る」から「事例を通して知る」へ
3 さらに次のステージへ――対象と視点の範囲を広げていく

おわりに

参考文献

著作者プロフィール

佐藤郁哉

( さとう・いくや )

佐藤 郁哉(さとう・いくや):1955年、宮城県生まれ。77年、東京大学文学部卒業。84年、東北大学大学院博士課程中退。86年、シカゴ大学大学院修了(Ph.D.)。一橋大学大学院商学研究科教授、プリンストン大学客員研究員、オックスフォード大学客員研究員などを経て2016年より同志社大学教授。専門は経営組織論・社会調査方法論。主な著作に、『暴走族のエスノグラフィー』(新曜社、国際交通安全学会賞)、Kamikaze Biker(University of Chicago Press)、『現代演劇のフィールドワーク』(東京大学出版会、日経・経済図書文化賞)、『組織エスノグラフィー』(共著。有斐閣、経営行動科学学会優秀研究賞)、『社会調査の考え方[上][下]』(東京大学出版会)、『50年目の「大学解体」20年後の大学再生』(共著。京都大学学術出版会)、『大学改革の迷走』(筑摩書房)、『はじめての経営学 ビジネス・リサーチ』(東洋経済新報社)、『経営学の危機―詐術・欺瞞・無意味な研究』(訳。白桃書房)などがある。

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