ちくま学芸文庫
改稿 日本文法の話〔第三版〕
阪倉篤義
著
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「玉の緒よ絶えなば絶えねながらへばしのぶることのよわりもぞする」の歌に代表されるように、式子内親王の作品には、鬱と激情の交錯する、特異な審美性にあふれた作品が多い。その個性的な詠嘆の底には、どのような憂鬱の生涯がひろがり、いかなる激情にあやなされた思慕があったのか。―歌と生涯を辿りつつ、沈鬱と激情の歌人、式子内親王の内面に鋭く迫る。
第1部 式子内親王とその周辺(四宮の第三女式子の出生
斎院ト定前後
み垣の花―斎院式子の青春の夢と失意
前小斎院御百首のころ―平氏全盛のかげの哀傷
治承四年雲間の月―以仁叛乱と式子の周辺
贄野の池―以仁敗死とその生存説の中で
建久五年百首のころ―後白河時代の終焉と式子の落飾
軒端の梅よ我れを忘るな―病苦の中の正治百首)
第2部 式子内親王の歌について(宇治の大君に通う式子の心情
式子は多量の霞を求めねばならなかった
梅のおもかげ
花を見送る非力者の哀しみ―作歌態度としての〈詠め〉の姿勢
式子を支配した三つの夏と時鳥
落葉しぐれと霜の金星
巷説「定家葛」の存在理由
忍ぶる恋の歌
式子と定家、ならびに宜秋門院丹後
梁塵秘抄は作用したか)
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