大森荘蔵
( おおもり・しょうぞう )1921年、岡山生まれ。1944年に東京大学理学部物理学科を、1949年に同大学文学部哲学科を卒業。1966年、東京大学教養学部教授(科学史・科学哲学科)、放送大学教授を経て、東京大学名誉教授。『言語・知覚・世界』『物と心』『流れとよどみ』『新視覚新論』『知の構築とその呪縛』『時間と自我』などの著作がある。1997年逝去。
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16世紀に始まった科学革命は、世界を数量的に表現しようとする考え方をもたらした。けれども、それによって「心」に帰属するものが排除され、自然と人間の分離、主観と客観の対立が生じることになった。常識が科学へ展開していく不可逆的な過程で、何が生じたのだろうか。近代以降の科学史的事実を精査し、人間と自然との一体性を回復する方途をさぐる。
1 概説的序論
2 略画的世界観
3 日本における略画世界
4 西欧古代中世における略画的世界観
5 略画の密画化、その始まり
6 略画の密画化、不可避の過程
7 密画化と数量化
8 密画の陥穽―物の死物化
9 感覚的性質のストリップ
10 二元論の構造的欠陥
11 二元論批判
12 原子論による密画描写
13 人体の密画描写と知覚因果説
14 物と感覚の一心同体性
15 自然の再活性化
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