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ちくま学芸文庫

モードの迷宮

拘束したり、隠蔽したり……。衣服、そしてそれを身にまとう「わたし」とは何なのか。スリリングに語られる現象学的な身体論。 【解説: 植島啓司 】

定価

990

(10%税込)
ISBN

978-4-480-08244-2

Cコード

0110

整理番号

-5-1

1996/01/10

判型

文庫判

ページ数

240

解説

内容紹介

たとえば、このドレスはわたしの身体を覆っているのだろうか。逆に晒しているとはいえないだろうか。たとえば、衣服は何をひたすら隠しているのだろうか。いやむしろ、何もないからこそ、あれほど飾りたてているのではないだろうか。ファッションは、自ら創出すると同時に裏切り、設定すると同時に瓦解させ、たえずおのれを超えてゆこうとする運動体である。そんなファッションを相反する動性に引き裂かれた状態、つまりディスプロポーションとしてとらえること、そしてそれを通じて、“わたし”の存在がまさにそれであるような、根源的ディスプロポ

目次

1 拘束の逆説(意識の皮膚
従順な身体
シンデレラの夢
誘惑の糸口
騒がしい境界)
2 隠蔽の照準(泡だつ表面
“肉”の回避
最後のヴェール
イマジネールな外縁
同一性の遊び)
3 変形の規則(饒舌な可視性
身体のシミュレーション
“わたし”のもろさ
無秩序に変えられるための秩序
明るいニヒリズム?)

著作者プロフィール

鷲田清一

( わしだ・きよかず )

1949年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。大阪大学総長などを経て、現在は京都市立芸術大学理事長・学長、せんだいメディアテーク館長。専門は哲学。現象学をベースに、臨床哲学、モード批評などを幅広く展開する。主な著書に『モードの迷宮』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『「ぐずぐず」の理由』(読売文学賞)、『「待つ」ということ』(以上、角川選書)、『〈ひと〉の現象学』(筑摩書房)、『哲学の使い方』(岩波新書)などがある。

この本への感想

現在、身体論といえば鷲田清一が第一人者だろう。大学受験でお馴染みだが、とにかく一度は読んだ方がいいと思う。

kubo

さん
update: 2007/07/26

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