ヴァルター・ベンヤミン
( べんやみん,ヴぁるたー )1892(Berlin)~1940年(PortBou)。20世紀ドイツの最も異彩を放つ思想家・批評家。きわめて緻密で繊細な文体をもつ卓越した文章家。青年運動の只中で思想形成期を迎え、ユダヤ神秘主義、観念論的弁証法、マルクス主義的歴史哲学等の影響を受ける。激動の時代状況とアクチュアルにまたラディカルに切り結びながら、同時に近代もしくはモデルネの原史(Urgeschichte)を見据え続けた。亡命行の途上でみずから命を絶った。
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1,650
円978-4-480-08256-5
0110
-3-2
1996/04/08
文庫判
672
頁「体系」的思考に対して異端をなす、「エッセイ」の思想の根幹―それは、手仕事的な細部へのまなざしである。そこはまた、私たちの「経験」の息づく場所でもあるのだが、もし批判的感性がそのような細部に感応するなら、それは同時に、対象の内部に忘却されたままの、全体性と無限性を予感させるものとなるだろう。そのとき、このエッセイそのものが自身の時代の感覚器官となっていることに、われわれは気づかされる。中断と飛躍を含んだ思考のリズム、巧みに布置された理念やイメージの群れ―。哲学的考察も、これらを恐れはしないのだ。エッセイと
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