高田衛
( たかだ・まもる )1930年、富山県生まれ。早稲田大学大学院修士課程、東京都立大学大学院博士課程修了。東京都立大学名誉教授。近畿大学文芸学部教授を務めた。専攻、日本近世文学。著書に『女と蛇』(筑摩書房)、『新編江戸幻想文学誌』、『完本八犬伝の世界』(以上ちくま学芸文庫)。編・校注に『江戸怪談集』上・中・下(岩波文庫)他多数
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上田秋成、滝沢馬琴、山東京伝、建部綾足、都賀庭鐘らが紡ぎ出した豊饒で妖しい江戸の文学言語を鮮やかに読みとき、フォークロアとは次元の異なる「不思議の園」に読者と共に分け入る。怪談、奇談、稗史等、近世文学の「闇の物語」にあえて光を当て、なまじの現実よりも夢であることによって一層生き生きとした江戸人たちの心性世界に肉薄する。
怪談の発生―江戸期作者の側から
幻語の構造―雨と月への私注
物語の再生と夢語り―秋成・庭鐘・綾足たちの世界
狂蕩の夢―上田秋成
亡命、そして蜂起へ向かう物語―『本朝水滸伝』を読む(1)
遊行、そしてまつろわぬ人々の物語―『本朝水滸伝』を読む(2)
怪異の江戸文学―世の中は地獄の上の花見かな(一茶)
稗史と美少年―馬琴の童子神信仰
近世最悪の怪奇物語―般若の里の鬼女譚
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