宮田登
( みやた・のぼる )宮田 登(みやた・のぼる):1936年、神奈川県生まれ。筑波大学教授、神奈川大学教授、国立歴史民俗博物館客員教授、文化庁文化財保護審議会専門委員、江戸東京博物館客員教授、旅の文化研究所所長等を歴任。その関心は民俗学から日本史学、人類学等、周辺諸学におよんだ。柳田賞、毎日出版文化賞特別賞受賞。著書に『江戸のはやり神』『日本の民俗学』『神の民俗誌』『妖怪の民俗学』『山と里の信仰史』『都市とフォークロア』『宮田登 日本を語る』(全16巻)等がある。2000年、没。
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十人並みの女に発現する突然の怪力、女中の身辺におこるポルターガイスト現象、人柱となって村を救う行きずりの女…。彼女らは、生死の淵や神との交信、性愛の場において濃密で重要な役割をはたした。男性の力とは対称的なこの不可思議な威力を駆使する女を人びとは尊敬と畏怖をもって「ヒメ」と呼んだ。古代に礎を置き、現在にいたるまでその残留が見られる「ヒメ」の力の多様な変遷と、決して表立つことのなかった女性民俗の諸相を訪ね歩き、男性が「女の力」に抱く恐怖の根源とその本体を探る代表作。
1 ヒメの力(女の大力と見世物
祭りと女の力
女の怪力
女人島)
2 ヒメ殺し(女の家
嫁殺し
花嫁の死
お菊の死
母と子
お鶴の死)
3 花と犬(花と女
椿姫
女と犬)
4 遊女と妖怪(巫女から尼へ
境の遊女たち
池袋の女
女と妖怪
魔女と鬼女
鏡花と女妖)
5 ヒメの民俗学(女の大役
お月さまいくつ
女と洗濯
女の髪
女の契約
女の講
女の色(赤)
女の色(白)
主婦権のこと)
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