網野善彦
( あみの・よしひこ )1928─2004年。山梨県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学特任教授を歴任。歴史家。専攻は日本中世史、日本海民史。著書:『蒙古襲来』『日本中世の非農業民と天皇』『無縁・公界・楽』『異形の王権』『日本社会の歴史(上・中・下)』『「日本」とは何か』『日本の歴史をよみなおす(全)』『日本中世都市の世界』他多数。
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王朝・幕府などの公権力からの抑圧に抗い、流通、金融、商業の自立的な組織を構築・管理・統制した非農業民の世界、中世都市。中世考古学、文献史学などのさまざまな角度から、現代にも通底する市場原理、流通、自治、自由などの中世の諸問題を実証的に追究。また、「無縁」論をめぐる思索活動の全容をあますところなく伝える。都市民による交流と文化の場としての新たな中世社会像を提唱する画期的な論集。
第1部 都市的な場(中世における「無縁」の意義
若狭の駆込み寺―万徳寺の寺法をめぐって
「公界」と公界寺
歴史と自然・河海の役割―『そしえて21』の発刊によせて)
第2部 都市論(中世都市論
鎌倉の「地」と地奉行
西の京と北野社
伊勢国桑名
近江国堅田
近江国船木北浜
備後国「草戸千軒」
中世都市研究の問題点と展望)
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