四方田犬彦
( よもた・いぬひこ )四方田 犬彦(よもた・いぬひこ):1953年生まれ。批評家・エッセイスト・詩人。著作に『見ることの塩』(河出文庫)、翻訳に『パゾリーニ詩集』(みすず書房)がある。
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『岬』『枯木灘』『千年の愉楽』『奇跡』『讃歌』『軽蔑』…旺盛な生成と破壊、変化と転生の末に、永遠に中断された中上健次の物語。「筆者が前提としたことはただひとつ、中上のテクストを矛盾なき体系として了解するということであった。彼が遺した厖大なる言葉を、その放棄中断も含めて厳密に読解の対象とすることが、求められている」。「中上との出会いが、わたしにおける書くことの始まりに決定的な意味をもっていた」という著者が、13年の歳月をかけて彼の作品宇宙を追跡しきった渾身の作家論=物語論。
第1章 五衰の悦び
第2章 異界の変容
第3章 偽史と情熱
第4章 貴種の終焉
第5章 彷徨する兄弟
第6章 この路地の最後の者
第7章 重力の秋
補遺(一番はじめの出来事
声と文様
中上健次の生涯)
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