池上俊一
( いけがみ・しゅんいち )1956年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は西洋中世・ルネサンス史。独自の切り口から西洋社会の深層に迫る研究で知られる。主な著書に『動物裁判』(講談社現代新書)、『身体の中世』『遊びの中世史』(ちくま学芸文庫)、『イタリア・ルネサンス再考』(講談社学術文庫)、『シエナ――夢見るゴシック都市』(中公新書)、『パスタでたどるイタリア史』『お菓子でたどるフランス史』(岩波ジュニア新書)、『図説 騎士の世界』(河出書房新社)など多数。
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どの時代にもまして、身体を媒介として世界と関わったヨーロッパ中世。この時代、身体の各部位には多彩なメタファーが盛り込まれており、また、身体表現・感情表現には極めて重層的な社会的意味がこめられていた。アナール学派の研究をふまえつつ、多数の図像を用いて、「からだ」と「こころ」に向けられた中世ヨーロッパの視線から、色鮮やかな人間観を緻密に描きだす。
1 身体コミュニケーション(身振りのシンボリズム
ダンスのイメージ ほか)
2 身体に関する知・メタファー・迷信(ミクロコスモス=マクロコスモス
「聖なる」からだと「穢れた」からだ ほか)
3 からだの「狂い」とこころの「狂い」(病気―罪の結果か受難の印か
狂気―悪魔憑きか神の使者か ほか)
4 感情表現の諸相(聖と俗の泣き笑い
嫉妬と羞恥―人間関係が生みだす情動 ほか)
5 五感の歴史(視覚―色彩と風景の台頭
聴覚―日常生活における音 ほか)
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