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ちくま学芸文庫

奇妙な廃墟

——フランスにおける反近代主義の系譜とコラボラトゥール

福田評論の原点

文学者としてファシズムに協同した作家たち 粛清されたエコールを問い直す

定価

1,980

(10%税込)
ISBN

978-4-480-08706-5

Cコード

0195

整理番号

-15-2

2002/08/07

判型

文庫判

ページ数

592

解説

内容紹介

祖国を売り、ナチズムに加担する文学を作ってきたことでフランス文学史上、数々の伝説や悪名で彩られてきたコラボラトゥールの作家たち。しかしヒューマニズムに抗して闘ったその思想はパウンド、ブランショなど20世紀の知性に大きな影響を与えた。19世紀の反近代主義者の思想や手法から始まり、中心的な運動を担ったドリュ・ラ・ロシェル、ブラジヤック、ルバテら、戦後における継承者ニミエにいたるまで、統一した視点からファシズムと文学・思想を検証し、近代フランスの歴史観に挑戦する渾身のデビュー作。

目次

序 ヒューマニズム批判の禁忌
第1章 アルチュール・ド・ゴビノー―高貴なる星座
第2章 モーリス・バレス―フランス・ナショナリズム、または幕間の大活劇
第3章 シャルル・モーラス―反近代の極北
第4章 ピエール・ドリュ・ラ・ロシェル―放蕩としてのファシズム
第5章 ロベール・ブラジヤック―粛清された詩人
第6章 リュシアン・ルバテ―魂の復活のためのホロコースト
第7章 ロジェ・ニミエ―生きながら戦後に葬られ

著作者プロフィール

福田和也

( ふくだ・かずや )

1960-2024年、東京生まれ。文芸評論家。慶應義塾大学大学院修士課程修了。慶應義塾大学名誉教授。1992年『日本の家郷』で第4回三島由紀夫賞を受賞。『甘美な人生』で平林たい子賞を受賞。著書に『奇妙な廃墟――フランスにおける反近代主義の系譜とコラボラトゥール』『日本人の目玉』『地ひらく──石原莞爾と昭和の夢』『山下奉文──昭和の悲劇』『乃木希典』『作家の値うち』『イデオロギーズ』『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』『贅沢な読書』『俗ニ生キ俗ニ死スベシ 俗生歳時記』『「内なる近代」の超克』、編著に『江藤淳コレクション』(全4巻)などがある。

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