古東哲明
( ことう・てつあき )一九五〇年生まれ。京都大学哲学科卒業後、同大学院博士課程修了。現在、広島大学総合科学研究科教授。専門は、哲学、現代思想。著書に、『〈在る〉ことの不思議』(勁草書房)、『現代思想としてのギリシア哲学』(ちくま学芸文庫)、『ハイデガー──存在神秘の哲学』(講談社現代新書)、『他界からのまなざし』(講談社選書メチエ)、編著に、『ニヒリズムからの出発』(ナカニシヤ書店)などがある。
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近代ヨーロッパ文化の源泉であるギリシア哲学は、現代思想に類似した、「神の死」とも言うべき状況の中から発祥したものだった。人間にとって最も根源的な問題といえる「在ることの不思議」に覚醒し、無常や不条理といった否定性を含みこんだまま、二元論を超克しつつ存在驚愕(タウゼマイン)を直視した、タレス、ソクラテス、プラトンら西洋哲学の開祖たち。人類史上画期的な出来事としてのギリシア哲学を、新たな視座から精緻に検討し、現代思想を鍛えなおす。
序章 月から落ちてきた眼
第1章 哲学誕生の瞬間―タレス
第2章 逆説の宇宙―ヘラクレイトス
第3章 存在の永遠―パルメニデス
第4章 非知の技法―ソクラテス
第5章 ギリシアの霊性―プラトン
第6章 あたかも最期の日のように―M.アウレリウス
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