西研
( にし・けん )1957年鹿児島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了(社会哲学専攻)。京都精華大学助教授などを経て、現在、和光大学現代人間学部教授。著書に『実存からの冒険』『哲学的思考――フッサール現象学の核心』(ちくま学芸文庫)、『ヘーゲル・大人のなりかた』(NHKブックス)ほか。
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学問の「客観性」とはどういうことか?人は善や美を生きるが、善や美の根拠は何か?そうした根源的な問いを確かめ、共有していくための「方法」をフッサールは打ち立てた。そしてそれは、近代哲学の歴史のなかで鍛えられた「主観」へと立ち戻って思考する方法の極限のなかから生まれたものである。フッサールの現象学を徹底的に読みなおし、その核心である“実存的世界”と“客観的世界”とのつながりを解明する。日々を生きるふつうの人びとのなかに思想する営みをよび戻し、考えあうことへの希望と信頼をふたたび提起する渾身の論考。
序章 現代思想の“真理”批判をめぐって
第1章 “学問の基礎づけ”とは何か
第2章 “生”にとって学問とは何か
第3章 何のための“還元”か(1)体験への“内在”
第4章 何のための“還元”か(2)超越論的問題
第5章 いかにして“現実”は形づくられているか
第6章 科学の成果をどう理解するか―生活世界と学問
第7章 “社会”の現象学
終章 現象学的方法の意義と問題点について
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