高田衛
( たかだ・まもる )1930年、富山県生まれ。早稲田大学大学院修士課程、東京都立大学大学院博士課程修了。東京都立大学名誉教授。近畿大学文芸学部教授を務めた。専攻、日本近世文学。著書に『女と蛇』(筑摩書房)、『新編江戸幻想文学誌』、『完本八犬伝の世界』(以上ちくま学芸文庫)。編・校注に『江戸怪談集』上・中・下(岩波文庫)他多数
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構想の雄渾、趣向の巧緻、文体の華麗、人物造型の玄妙、考証の厳密、エピソードの耽美・古怪。この長大な物語には欠けるものがない。豊富に付された口絵や挿絵もまた、本文と同等の工夫をもって配されているから、画文渾然、伏線は錯綜し、仕掛けは曲折して、作品全体がいわば一個の巨大な図解宇宙誌の観を呈する。謎は多く、秘密は深い。読者に最高度の学識と想像力を要求するこの種の作品を堪能するには、手練の周到な読みを俟つにしくはない。稀有の伝奇ロマンの魅力を、徹底的な細部へのこだわりと構想全体への目配りをもって論じ尽くす、著者積年の研究の集大成。図版多数。
謎とき『八犬伝』口上
第1章 伏姫曼荼羅
第2章 八大童子の幻影
第3章 唐獅子牡丹の系譜
第4章 漂泊の七人
第5章 悪女と怪物
第6章 母子神の物語―『八犬伝』第三部
第7章 曲亭馬琴 最後の戦い
第8章 星の秘儀空間
回外冗筆―「あとがき」を兼ねて
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