中村桂子
( なかむら・けいこ )1936年東京生まれ。JT生命誌研究館名誉館長。理学博士。東京大学大学院生物化学科修了。ゲノムを基本に生きものの歴史と関係を読み解く「生命誌」を提唱。JT生命誌研究館を開設し、2002年より同館館長。『生命誌の扉をひらく』『自己創出する生命』(毎日出版文化賞)、『ゲノムが語る生命』ほか著書多数。
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今ここで生きている命とは何か―それはDNAをいくら分析しても分らないのではないか。生物学がDNAという普遍的概念=物質にたどり着いたとき、あらためて浮上してきた本質的な問い。その問いの答へ至る道として、著者はゲノムを「発見」した。ゲノムという全体を見ることで、普遍性と多様性を同時に合わせ持つ生命の本質に迫りたい。生物学という科学から、歴史的ダイナミズムをも視野に入れた「生命誌」研究へ踏み出した原点となる書。93年毎日出版文化賞受賞。その後のゲノム研究の成果を踏まえた補遺を加えて再登場。
序章 発端の知―ゲノムから何が見えるか
第1章 記号・物質・全体―DNAとは何であったか
第2章 生命という自己創出系―発生は時間と空間を実現する
第3章 生命という「歴史的存?ン」―唯一無二の「個」を生み出す
第4章 生命というスーパーコンセプト―来るべき知の神話素
補遺 “生命”から“生きている”と“生きる”へ―ヒトゲノム解析を経て見えてきたもの
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