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ちくま学芸文庫

自分ということ

それは「あいだ」にある

自己と時間の病理を辿り、存在者自己と自己の存在それ自体の間に広がる「あいだ」を論じる木村哲学の入門書。 【解説: 小林敏明 】

定価

1,100

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09144-4

Cコード

0110

整理番号

-14-4

2008/05/08

判型

文庫判

ページ数

240

解説

内容紹介

「自己」とか「自分」とは、私たち個人の内部的ななにものかだろうか。自分の「自」は「おのずから」の「自然」となり、また「みずから」の「自分」となり、両者の間で根源的な生命は躍動する。自己あるいは自分とは、私の内部にあるものではなくて、私と世界との、総じて人と人との「あいだ」にあるのだ。自己の自己性にかかわる危機として分裂病(統合失調症)や離人症を取り上げ、「あいだ」の時間性や、自己の「もの」的ありよう・「こと」的ありように光を当てる。著者の内面の歴史を背景に語られる木村哲学への最初の一歩。

目次

「自然」について
自己とは何か
「あいだ」と「ま」
「間」と個人
思春期病理における自己と身体
存在論的差異と精神病
ハイデッガーと精神医学

著作者プロフィール

木村敏

( きむら・びん )

1931年、旧朝鮮生まれ。1955年、京都大学医学部卒業。現在、京都大学名誉教授、河合文化教育研究所所長・主任研究員。専攻、精神病理学。著書に『自覚の精神病理』(紀伊國屋書店)、『異常の構造』(講談社現代新書)、『時間と自己』(中公新書)、『木村敏著作集』全8巻(弘文堂)、『関係としての自己』(みすず書房)、『臨床哲学講義』(創元社)、『あいだ』『自己・あいだ・時間』『分裂病と他者』(ちくま学芸文庫)など。訳書多数。1981年にシーボルト賞、1985年にエグネール賞、2003年に和辻哲郎文化賞、2010年に『精神医学から臨床哲学へ』(ミネルヴァ書房)で毎日出版文化賞を受賞。

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