ロゲルギスト
( ろげるぎすと )物理学者のグループペンネーム。メンバーは磯部孝、今井功、大川章哉、木下是雄、近藤正夫、高橋秀俊、近角聰信の7人。雑誌 「自然」に1959年より毎月、科学エッセイを連載。専攻はさ まざまだがいずれも議論好き。日常のできごとから興味深いテーマ を取り上げ、物理学者ならではの視点で問題を解きほぐした。その エレガントな思考法に魅せられた文系ファンも多い。ほかに『物理の散歩道』(岩波書店)がある。
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片寄ったものの見方を「色眼鏡で見る」という。カメラや望遠鏡は当然、形や色の歪みを極力避ける。しかしヘルムホルツがバイオリンの弦の振動のようすを可視化した光学器械は、振幅方向のみ、つまり歪みを強調する振動顕微鏡だった。ときに色眼鏡をかけ物を処理するのも大人の力量という含蓄のエッセイ「心眼を肉眼に」。ほかに、どう考えても不思議なエッシャーのだまし絵の謎とき。蚊取線香にクリップを留めるとそこで火が止まる。そのクリップの大きさは?などなど。初級者には多様な話題のおもしろさが、上級者には噛むほどに伝わってくる味わい
巻きひげの形の秘密
消しゴムの機構
魚梯
立ち消えする渦巻き線香
だまし絵の謎とき
量産の仕組み
自動化がなぜ必要か
昼間見る月はなぜ白い
物理の樹のはなし
刃物の切れ味
続・結晶の形はどうしてきまるか
心眼を肉眼に
風呂桶の渦巻き
煤の上にのこした記録
逆さコップの蓋
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