松岡正剛
( まつおか・せいごう )1944年、京都府生まれ。編集工学研究所所長。東京大学客員教授、帝塚山学院大学教授を経て、イシス編集学校校長。独自の視点による情報文化論、日本文化論に定評がある。おもな著作に『多読術』『日本数寄』『フラジャイル』『山水思想』(筑摩書房)、『誰も知らない世界と日本のまちがい』『17歳のための世界と日本の見方』『連塾──方法日本』(春秋社)、『知の編集術』(講談社)、『白川静』(D凡社)等。インターネット上で壮大なブックナビゲーション「千夜千冊」を展開中。
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我々の周りにあり、また失われつつある日本的なもの。著者はそれを「日本流」と定義した。本書では万葉仮名、着物、庭園、絵画等を豊富な図版とともに紹介。それらのなかにスサビという方法論を見出し、泉鏡花、イサム・ノグチ、ワダエミなど、モノの真髄を掴み、革新的な仕事をした人々に着目。文化やその伝承が個々の才の集積であることを説く。また忘れかけた日本の滋味とも言える哀調を、野口雨情をはじめとする大正時代の童謡に探る。現代にも伏流としてある多様で一途な日本の姿が現れる一冊。日本文化について斬新な提言を続ける著者の歩みは、この書から始まった。
序章 日本が思う―歌を忘れたカナリヤ
第1章 日本を語る―多様で一途な国
第2章 日本も動く―職人とネットワーカー
第3章 日本で装う―仕組と趣向がはずむ
第4章 日本へ移す―見立てとアナロジー
第5章 日本に祭る―おもかげの国・うつろいの国
第6章 日本と遊ぶ―わび・さび・あはせ
第7章 日本は歌う―間と型から流れてくる
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