秋月龍珉
( あきづき・りょうみん )1921?99年。東京大学文学部哲学科卒業。同大学院修了。居士身で臨済正宗大事了畢、のちに臨済宗妙心寺派の僧籍に入る。埼玉医科大学教授、花園大学教授、臨済正宗真人会師家などを務めた禅学者。著書に『秋月龍珉著作集』全15巻(三一書房)、『絶対無と場所――鈴木禅学と西田哲学』(青土社)、『無門関を読む』『一日一禅』『誤解された仏教』(いずれも講談社学術文庫)、訳注書に『臨済録』『趙州録』(いずれも筑摩書房)などがある。
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「公案」とは、禅の修行者の心根を練磨するために課せられる一種の試験問題である。そして、禅匠が弟子を悟りへ導くために工夫した、仕掛け、手段としてのことば・教説のことである。これまで公案は、師と一対一で、師の室内において秘密裡に行われてきた。本書は、その禅仏教の真実をはじめて公開した画期的なものである。師鈴木大拙をはじめ、多くの師家のもとで、数十年にわたる参禅体験と禅学を研鑚した著者が、実際の公案を用いて解く禅思想の真髄。参禅へのきわめてゆきとどいた実践的指導と、公案に潜む思想的究明とが渾然一体となった、他に例を見ない入門書。
第1部 参禅入門(祖師禅と公案
坐禅の仕方
相見・独参・入室
公案体系
廓庵禅師『十牛図』)
第2部 公案三十三則(仏道とは自己を習うなり―倩女離魂
無位の真人を見る―臨済赤肉
“見る”と“直下無心”―一見阿字
“見る”と“正念相続”―霊雲桃花
木犀の香を聞くや―山谷木犀 ほか)
附録 越渓―禾山下室内公案体系
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