種村季弘
( たねむら・すえひろ )種村 季弘(たねむら・すえひろ):1933-2004年。東京都生まれ。東京大学文学部卒業。ドイツ文学者。該博な知識人として文学、美術、映画から魔術、神秘学にいたるまで多彩なジャンルにわたり執筆活動を展開した。著書に『ビンゲンのヒルデガルドの世界』(芸術選奨文部大臣賞、齋藤緑雨賞受賞)、『書国探検記』、『魔術的リアリズム』など、翻訳書に『パニッツァ全集』(全3巻)などがある。
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1920年ドイツ。表現主義と抽象全盛の時代に突如現れ、束の間妖しく輝き、やがてナチスの「血と大地」の神話の陰に消え去った、幻の芸術があった。歴史の狭間に忘れ去られた画家たちの軌跡を克明にたどり、仇花のごとき芸術の誕生と死を通して、ある時代の肖像を鮮やかに描きだした名著。
前口上 魔術的リアリズム、ノイエ・ザハリヒカイトとは何か
ヴァイマールの夜の側
不気味なもの
アントン・レーダーシャイト―絶対零度の孤独
フランツ・ラジヴィル―世界鏡としての魔術的球体
アルベルト・エレボー―独身者の部屋
クリスティアン・シャート―皮膚の上の滑走
カール・グロスベルク―黒いメランコリー
ゲオルク・シュリンプフ―無時間的な生の一齣
リヒャルト・エルツェ―壜の中の精霊
ルドルフ・ヴァッカー―事物の言葉
ハノーファーの牧歌的リアリズム―環境への偏愛
オランダの魔術的リアリズム―文化の不安
魔術的リアリズム・その後―アメリカ・アメリカ
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